[photo by david drexler]
ワークライフバランスという言葉を聞いて、どんな印象をもたれるだろうか?
「働きすぎの自分にまさに必要!」と思った人がいれば、「それって仕事をさぼりたい人の口実じゃないの?」と冷めた見方をした人もいるかもしれない。
ワークライフバランスとは何ぞや?ということを考える前に、この言葉の意味について考えるところから始めてみたい。
ワークライフバランスの定義は明確ではない。政府の「ワークライフバランス憲章」では「仕事と生活の調和」となっているが、「仕事と家庭の両立」「仕事と私生活の共存」の定義で語られていることもよくある。つまり、定義が定まっていない。
ワークライフバランスという言葉は人によって解釈がちがっている。
まず、「ワーク」で連想する対象が人によってちがう。会社の仕事に限定する人がいれば、地域活動を含めてワークと捉える人もいる。
「ライフ」の範囲も人によって幅がある。
仕事以外の生活時間をイメージする人がいれば、人生全体と捉える人もいる。例えば、育児や家事は「ライフ」で考える人が多数であるが、中には「主婦にとって家事はワークでしょ」と主張する方がいる。
とくに「バランス」が厄介な存在だ。バランスの言葉から「てんびん」や「やじろべえ」が自動連想される。バランスがとれた方がよいとの発想から、「50対50が理想」という前提でワークライフバランスの議論が展開されてしまうことが多い。
しかし、50対50が決して理想な状態ではない。仕事100%で没頭する時期(とくに若手ビジネスマンには)あってよいし、子どもが小さい頃は育児中心で過ごしてよいと思う。
そもそも、ワークとライフを切り離して考えるべきか?という議論がもっとなされてもよい。ハッピーに生きている人を観察すると、仕事とプライベートの境目がなく楽しんでいる場合が多いように見受けられる。例えば、成功した起業家は公私の区別がなかったりするのだが、公私混同である方が人生を謳歌している風がある。
ワークライフバランスという言葉の意味はひどく曖昧だ。けれども、定義はある意味どうでもよい。むしろ大切なのは、自分事でワークライフバランスを考えることだ。
ワークライフバランスは「自分の生き方の問題」である。限られた人生の時間をいかに有意義に過ごすかがワークライフバランスの命題だ。生き方に正解はない。答は外国や他社事例にあるわけではない。自分の人生は自分で作っていくしかないのだ。

- ライター
- 東 浩司
- 1971年名古屋生まれ、逗子在住。妻と娘(1歳)の三人家族。計6回の転職を経て起業し、「自分らしくいきいきと働く」をテーマに研修・セミナーを行う。
ブログ:父親が育つ子育てブログ